シェアしたくなる!那須観光おすすめフォトスポット特集 ~絶景の自然、絢爛なステンドグラスまで

 

栃木県の矢板市・大田原市・那須塩原市・ 那須町にまたがる、明治の面影を残す扇状地・那須野が原。そこには「日本遺産」に関係する31件の文化財だけでなく、思わず写真に収めたくなる絶景スポットが数多く存在します。

この記事では、那須観光で立ち寄りたい! 有名どころから地元で愛される隠れスポットまで、那須野が原の文化財と周辺の魅力的なフォトスポットを、おすすめ時期と合わせてご紹介します。

 

記事には《映え》や《エモさ》を意識して、スマホの補正機能アリのもの、無調整のもの、いろいろな写真を揃えました。(補正機能はフィルター等、スマートフォンに標準搭載されている写真アプリで簡単にできる程度のものです)
ぜひスポット選びの参考にしてみてくださいね。

 

本記事では、日本遺産「明治貴族が描いた未来~那須野が原開拓浪漫譚~」のストーリーを構成する文化財にまつわる写真を募集した【日本遺産 那須野が原魅力発掘フォトコンテスト】最優秀作品と優秀作品も合わせて紹介しています。コンテストの詳細はこちらから⇒https://home.nasunogahara.kokosil.net/ja/photo-contest

「日本遺産」について知りたい方はこちらから⇒http://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/

 

【おすすめフォトスポット6選】

 

おすすめフォトスポット① 矢板武記念館(矢板市)

矢板武記念館 正面

 

おすすめ時期(目安):3月下旬~4月頭

JR矢板駅から徒歩15分ほど、 東北自動車道・矢板ICから車で15分ほど。那須野が原の開拓や東北本線の開通に尽力した郷土の偉人・矢板武の邸宅です。

明治期には、2021年に大河ドラマで注目を集めた渋沢栄一をはじめ、山縣有朋や勝海舟などそうそうたる顔ぶれが集う交流の場として使われました。現在は記念館として一般公開されています。

矢板武記念館のフォトスポットとしては、なんといっても庭園に植えられた樹齢約190年といわれるシダレザクラが大人気! 高さはなんと約17メートルもあるそうですよ。

桜の開花中は夜間にライトアップされますので、とびきり幻想的な雰囲気の写真が撮影できちゃいます。

 

矢板武記念館のシダレザクラ

 

シダレザクラ 昼のショット
シダレザクラ 夜のショット

 

【日本遺産 那須野が原魅力発掘フォトコンテスト】優秀作品

優秀作品

夜間、矢板記念館の母屋の中からガラス戸越しにシダレザクラを撮った写真。木枠から見え隠れする桜がライトに照らされ幽玄な雰囲気を醸し出しています。

 

担当者の方に話をうかがうと、来館者の約8割がこの桜目当てというから驚きです。

しかし、矢板武記念館のフォトスポットとしての魅力はシダレザクラばかりではありません。経年で味わいを増した柱や板張りの渋い佇まいの母屋からは、なんともいえない侘び寂びがにじみ出ています。ぜひ資料展示と一緒に、邸宅自体もスマートフォン片手に楽しんでみてください♪

 

客間

 

渡り廊下
庭から見た客間

 

客間

 

この簡素ながら趣深い空間、好きな人にはたまらないはず。

母屋は茶会や成人式の前撮りなどでも使用できるそう。担当者の方からは「コスプレの撮影も大歓迎です! ぜひご相談ください」とメッセージをいただきました。時代物のコスプレの撮影地をお探しの方、スタジオとは違うリアルな風情の漂う建物で、臨場感ある一枚を撮ってみてはいかがでしょうか?

 

 

おすすめフォトスポット② 長峰公園(矢板市)

長峰公園

 

おすすめ時期(目安): 3月下旬~4月頭、4月下旬~5月中旬

JR矢板駅から徒歩10分ほど、東北自動車道・矢板ICから車で10分ほど。那須野が原の観光地のなかでもアクセスしやすい場所にある長峰公園は、日本の都市公園100選」に選出された、地域の方々に親しまれている公園です。

長峰公園がフォトスポットとして最も魅力的になるのは、4月下旬~5月中旬頃のツツジの時期でしょう。敷地内に植えられたツツジの数は約5,000株。最盛期にはツツジの赤やピンクが園内を染め上げ、訪れる人々を魅了します。

 

シンボルタワーからの風景

 

園内にあるシンボルタワー(展望台)からはツツジと一緒に日光連山の絶景をフレームに収めることができるため、天気の良い日はぜひとも足を運んでほしいスポットです。

春はツツジのほかにも、園内の芝生広場を囲むように立ち並んだ約150本の桜、約45,000株の芝桜が同じく人気を集めています。

 

長峰公園の桜
ライトアップされた夜桜

 

矢板武記念館の迫力ある1本の桜もすばらしいですが、長峰公園のようににぎやかに立ち並ぶ桜も撮影しがいのある被写体。どちらも矢板市内にあり、距離も国道461号沿いで徒歩15分ほどしか離れていないので、観光の際は両方探訪してみてはいかがでしょう。

念のための注意点として、桜とツツジはどちらも春の花ですが、見頃の時期が少し違っています。おすすめ時期の目安は桜が3月下旬~4月頭、ツツジが4月下旬~5月中旬頃。ただ、気象条件により見頃は多少前後しますので、もしかしたら一緒に撮影できる可能性もあるかもしれません。

また、ソメイヨシノが散った後も芝生広場にある立派なヤエベニシダレと芝桜は咲いている場合もある様子。

 

ヤエベニシダレと芝桜×青空

 

こちらは実際に、ソメイヨシノの大半が散った後に長峰公園を散策した際の写真です。ほぼ貸し切りの状態で、 ピンクのヤエベニシダレと芝桜×ブルースカイのコントラストが効いた爽やかな1枚が撮れました。

 

長峰公園 遠景
芝桜

 

そのため、「もうソメイヨシノは散っちゃったかな?」というタイミングでも足を運んでみる価値はあるかもしれません。

公園の敷地面積と比較してベンチの数が少ないので、座ってゆっくり景色を楽しむというよりは、歩き回って春をフレームに収めるのに向いているスポットです。眺める場所により受ける印象ががらりと違ってくる公園ですので、ぜひ隅から隅まで攻略してみてくださいね!

 

 

 

おすすめフォトスポット③ 黒羽城址公園(大田原市)

黒羽城址公園

 

おすすめ時期(目安): 3月下旬~4月上旬、6月下旬~7月上旬

JR西那須野駅からバス+徒歩で1時間ほど、東北自動車道・那須ICから車で30分ほどの場所にある黒羽城址公園は、かつて北那須最大の規模の城域を有していた黒羽城の面影を残す公園です。

ツツジや桜など、四季折々の花を鑑賞できる花の名所として知られていますが、黒羽城址公園といえばアジサイ抜きには語れません!

公園周辺に植えられたアジサイ(ガクアジサイ、ホンアジサイ、セイヨウアジサイなど)は約6,000株。6月には「芭蕉の里くろばね紫陽花まつり」が開催され、多くの観光客でにぎわいます。

 

アジサイと青空

 

アジサイは紫や青、白など色とりどり
橋から見下ろすアジサイ

 

ライトアップの演出も

 

堀の斜面や本丸跡の一面に広がる紫、青、白……瑞々しい色彩のアジサイがつくり出す絶景には感嘆するばかり。堀跡沿いにかかる橋からアジサイを見下ろせたり、アジサイに囲まれながら歩ける道があったりと撮影スポットに事欠きません。歩けばまるでアジサイの川を渡っているような気分に浸れますよ。

雨が似合うアジサイですから、雨の日でもはりきって撮影に向かえるのがうれしいところ。ただし、ご覧のように緑が豊富なので、散策の際は虫よけの対策をとるのがベター。また、梅雨の時期は土がぬかるんでいる可能性があるので、服装にも注意してください。

周辺には松尾芭蕉の資料を集めた「黒羽芭蕉の館」をはじめとした文化遺産も多いため、文学や歴史が好きな方は特に要チェックの場所といえるでしょう。

(大田原市の黒羽は、松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅で最も長く滞在した土地とされています)

 

「芭蕉の広場」のシダレザクラ

 

黒羽城址公園では、ソメイヨシノを中心とした約200本の桜も見どころの一つ。特に本丸跡のソメイヨシノと、芭蕉の俳句に登場する植物が植栽された「芭蕉の広場」のシダレザクラがフォトスポットとしておすすめです。

「芭蕉の広場」や「とちぎの道百選」に選ばれた大宿街道など近隣にかけて桜が広がっていますので、桜だけを撮るのではなく、黒羽城址公園へ続く道、その風景をまるっと被写体にすると雰囲気のあるすてきな写真が撮れそうです。

 

 

 

おすすめフォトスポット④ 旧青木家那須別邸(那須塩原市)

旧青木家那須別邸

 

おすすめ時期(目安):5月~10月

JR黒磯駅からバスで20分ほど、黒磯板室ICから車で10分ほど。明治時代のドイツ公使・外務大臣だった青木周蔵の別邸として建築された旧青木家那須別邸は、長い杉並木を抜けた先に現れる白亜の洋館です。ドイツで建築学を学び、七十七銀行本店や台湾鉄道ホテルなどを設計した建築士・松ヶ崎萬長の、日本に唯一現存する建物でもあります。

おすすめ時期は5月~10月。邸宅の目の前に広がるハンナガーデンの花畑では、菜の花やひまわり、コスモスなど四季折々の花が咲きます。5月頃からは美しい新緑も合わせて楽しむことができますよ。

鮮やかな木々と一緒に別邸をフレームに収めると、避暑地らしい爽やかさがぐっと上がるのでぜひ試してみてください♪

 

【日本遺産 那須野が原魅力発掘フォトコンテスト】最優秀作品

最優秀作品

菜の花に包まれたかのように錯覚する旧青木家那須別邸。春のおだやかな日差しが見ているこちらまで届きそうです。

 

菜の花に囲まれて

 

ハンナガーデンの花畑には中に遊歩道が確保されていますので、離れて撮影すればこのように、花に囲まれたメルヘンな1枚も撮影できます。

 

旧青木家那須別邸に続く杉並木

 

邸宅に続く杉並木はシンメトリーが美しく、ここもフォトスポットとしてとっても優秀!
実際に足を運ぶと、写真から受ける印象以上の杉の迫力に驚くかもしれません。快晴なら木漏れ日が差し込むので、時間帯によってはさらにエモい写真が撮れるはずです。

 

通路
階段

 

邸内

 

邸宅の外観を撮って満足せず、ぜひ邸内にも足を踏み入れてみてください。
ホワイトに塗られた壁板がシンプルながら上品な印象の室内。控えめな照明が、ほどよくアンニュイな印象を与える写真づくりに一役買ってくれます。

2階のテラスからは先ほど紹介した杉並木や花畑が見渡せます。景色を眺めながら、かつてここで暮らした人々が楽しんだ生活を追体験してみるのも楽しそう。

なお、旧青木家那須別邸の隣では道の駅「明治の森・黒磯」が営業中です。高原牛乳や特産品、新鮮な野菜をそろえたファームマーケットでお土産を買ったり、ファームレストラン&アイス工房「青木の森カフェ」でくつろいだりできますよ。

 

 

 

おすすめフォトスポット⑤ 木の俣渓谷・木の俣橋園地(那須塩原市)

木の俣渓谷

 

おすすめ時期(目安):7月~8月

那須野が原の周辺は滝の宝庫として人気を集めていますが、滝以外の水辺にもぜひご注目を!

JR黒磯駅からバスで25分ほど、黒磯板室ICから車で25分ほど。那珂川の支流である木の俣川が通る木の俣渓谷・木の俣橋園地では、植物や大岩が作り出す雄大な景色が楽しめます。

上流側にある小さな駐車場から園地に出られます。川沿いに遊歩道が整備されており、15分もあれば、2013年に完成した巨岩吊橋、そして巨石群の威容を拝めるスポットへ着きますので、場所ごとに替わる景色の表情を観察しながら散策するのも面白そう。

渓谷沿いは木々が豊かで新緑~紅葉の時期まで楽しめますが、特におすすめしたいのは緑が深まり梅雨が明ける7月から8月頃。写真でお分かりかと思いますが、生命力たっぷりに生い茂る植物の緑と川の澄んだ蒼色、そして光との調和が最高に美しいのです!

 

まったくの未加工でこの美しさ。

 

川は加工して青っぽく見せているのでは? と心配されるかもしれませんが、上の写真をご覧ください。こちら一切加工なしです。とってもきれいなエメラルド系のブルーですよね。

川底が見えるほどの透明度の高さが木の俣川の特徴です。あまりに透き通っているので、魚が泳いでいる姿もくっきり見えるそうですよ。

 

緑に覆われた木の俣渓谷

 

木の俣川の清流

 

段差がある箇所では川のブルーにホワイトが混ざり、青磁器を思わせる美しさにうっとり。
青色の濃淡は場所にもよるのですが、那須で神秘的な雰囲気の写真が撮りたければ、木の俣渓谷・木の俣橋園地は見逃せないロケーションといえそうです。

一転、冬~春先の緑がない時期に訪れるとガラッと印象が変わり、「本当に同じ場所?」と疑問に感じるほど荒涼とした雰囲気に。

 

春先の木の俣渓谷

 

ですが、植物がなくても川のブルーは健在で、こちらはこちらで雰囲気があり、夏季とは違う良さがありますね。

夏場は観光客や川遊びを楽しむ地元の方たちで混雑しますが、上の写真を撮った春先は完全な貸し切り状態でした。(奥のほうに見える人影は本記事の取材班です)

寒さの残る澄んだ空気の中、川のせせらぎを聞きながらとても贅沢な時間を過ごせましたので、日常に疲れたときにちょっと立ち寄って、撮影がてらリラックスするスポットとしてもおすすめです。

 

 

おすすめフォトスポット⑥那須ステンドグラス美術館(那須町)

那須ステンドグラス美術館

 

おすすめ時期(目安):通年

最後にご紹介するのは、イギリス・コッツウォルズ地方のマナーハウスをモチーフに建てられた、石造りの那須ステンドグラス美術館。JR黒磯駅より路線バスで20分ほど、那須ICより車で10分ほどの場所にあります。

美術館の敷地に足を踏み入れると、そこは完全に異国の雰囲気。結婚式の会場や映画やドラマのロケ地としても人気を集めているのも納得の佇まいです。

1800年代中心のアンティークステンドグラスや、ステンドグラスランプ作家リチャード・リーの幻想的な高級ランプが配置された館内では、毎日パイプオルガンやオルゴールの生演奏が楽しめます。週末には、さまざまな楽器を使ったコンサートも開催されるとか。

 

セント・ラファエル礼拝堂
セント・ラファエル礼拝堂のステンドグラス

 

館内にあるセント・ラファエル礼拝堂には、聖書のシーンが描かれたゴシック様式のステンドグラスが壁一面に! この美術館最大のアンティークステンドグラスということで、その荘厳な美しさは言葉を失うほど。礼拝堂正面で神々しく輝くバラ窓と合わせて必ず写真に収めてほしいスポットです。

 

アンティーク家具とステンドグラス
アンティーク家具とステンドグラス

 

大小のステンドグラス作品を引き立てるように重厚なインテリアが品よく置かれ、美術館というよりはまさに貴族のお屋敷といった趣。ちなみに館内の椅子は座ってOKなので、優雅にポーズを決めてなんちゃって貴族気分に浸るのも一興かも。

 

ステンドグラスとソファー

 

商品展示スペース

 

ステンドグラスから零れる光

 

ステンドグラスから零れる光彩は、日差しの強さと色によって印象を大きく変えていきます。夏の強い日差しのなか、夕日のなか……いろいろな表情を収めたくなり、ついつい長居してしまいそう。なんといっても季節を問わず楽しめるのが、那須ステンドグラス美術館のフォトスポットとしての一番の強みかもしれません。

美術館に隣接する建物には、人気のパンナコッタを味わえるカフェや、家族で楽しめるステンド体験教室も。ショップではランプやステンドグラス風のしおりや文具といった雑貨など、多様なお土産が購入可能です。

美しいものが好きな方であれば一日かけて堪能しても飽きないスポット。ぜひ時間的余裕をたっぷり確保して訪ねてみてください♪